2015年9月4日金曜日

自画像歳時記館: エッセイの勧め 「自分を言葉で推敲する」

文章を書くことは、第一に相手に理解されることを願って言葉を綴ります。

時間を置いて読み直すと文章の不出来が良く分かり、文章の前後を論理的

につなぎ直したり流れを良くする必ずしなければいけない推敲です。「文は人

なり」と言われるように、その人の信条や美意識、考え方が文章に投影され

て、その人の発言や行動となり人となりになります。


、  具体的には句読点の打ち方や段落の取り方があり、句点「。」は区切りで比

較的簡単、次につなげる読点「、」は難しい。「段落」は一つのユニットで上の

5行に相当し改行した行の頭は一桝空けます。推敲は2~3日空けた方が頭

が冷静に働き、書いた直後は気分が高揚しているので推敲は避けます。推

敲は文章の体を成す作業だが、推敲により文体に流れやリズムが生じると、

自分の思考を超えた領域まで運んでくれることがあり、自身の見識を

豊かにできる文章の優れた部分です。


  科学は一方通行的に発展しますが、人間の本質は何年経ても変わりま

せん。日本人として忘れていけないことは軍部と内閣が本土空襲の焦土の

なかで「最後の一人まで戦え」と、国民をないがしろにして民間人を80万人

も無駄死にさせた事実です。


国家としてけじめを付けられなかった事実は、戦争への大儀もなかった

と考えられて、多数への驕りと集団ダイナミズムが重なり、感情に流されたお

ぞましくも恐ろしい教訓と言える。


しかしその教訓は生かされず、近年「赤信号 皆で渡れば 怖くない」の

ただ多数におもねる不祥事が絶えない。「大企業の不正経理の先送り、五

輪の組織委員会、現在の政局」等々組織としても人間としてもコンセプトも

なく、その時々の流れに乗っかる人々が蠢いている。


歴史は戦争を望まないのに感情に流される人間の愚かさ表していてい

て、この愚かさを前提とした反省が正しい推敲です。国家を導く中枢にいるよ

うな政財界の皆さんの、「政治とは」「平和とは」「幸せとは」等について、推敲

を繰り返し行うことを強くお勧めしたく思います。


2015.9.4

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